オーバーヒート

材質
コア、タンクとも、従来は銅や真鍮が用いられており、定置型の産業機械や建設機械などでは鉄製のものも見られる。近年は軽量化とリサイクル、脱鉛(はんだやろう付けの廃止)、組み立て時間の短縮によるコストダウンに重点をおいた、アルミ製コアとOリングをはさんだ、樹脂製タンクのかしめ留めが主流となっている。現在の市販車では、前面投影面積が大きく、薄い(層の少ない、空気の抜けの良い)形状とし、銅や真鍮に比べ熱交換効率の劣るアルミコアの弱点を補っている。

従来の金属タンクの場合は繰り返し補修してリビルドすることが可能であり、鉛さえ使わなければ、資源の有効利用という点では優れている。それに対し、かしめ留めの場合、曲げ伸ばしによる留め爪の脆弱化がさけられないため、Oリングの交換は一回できればよいほうで、ほとんどの場合はアッセンブリー交換となる。

一方、効率を追求する中で、銅の持つ良さが再認識され、銅コアの生産量を増やすメーカーが多くなってきた。中でも、鉛を使わない「キュプロブレイズ」方式のロウ付け技術を確立した、スウェーデンのオウトクンプ カッパー ストリップ社は良く知られており、新車への純正採用も増えている。

銅は抗菌効果も高いため、ヒーターコアやクーラーエバポレーター(室内器)に使うことで、細菌によるカビ臭を抑制できることもメリットで、この点に注目している自動車メーカーは多い。


チューニングカーとラジエター
チューニングに従いエンジンの出力が上がると、どうしても発熱量が大きくなるために高性能のラジエターが必要になる。しかし取り付けサイズは車のレイアウトによって制約されてしまうため、フィンピッチを小さくして表面積を大きくしたり、コアの厚みを増やしフィン面積を大きくする方向で強化していく事が多い。しかしコア厚を2倍に上げても性能は20%程しか良くならない、またコア厚を上げると空気抵抗が増え、圧力損失も多くなってしまい、思う以上に通過風量が増えない。また、インタークーラーの吸気をエンジンフード上面から行うと、エンジンルームの内圧が上がり、前面からの流入量も減少するため、エンジンルームの排気を優先すべきである。

そして次に考えられるのは材質の変更である。よく使われる材質は銅とアルミニウムの2種である。それぞれ一長一短があり


冷却力小、自己放熱性強、重量大
アルミニウム
冷却力大、自己放熱性弱、重量小
となっている(ここでの冷却力は同車種に設定されている一般的なチューンドラジエターの場合を指す。本来はアルミの方が冷却力は低いのだが、アルミによって軽量化した分を厚みを増し、冷却力に一番重要な水量を増やしているラジエターが大半を占める為、アルミの方が冷却力が高くなる)。

発熱量が多くなる、また動力性能を上げる為に軽量化したいのでアルミニウムラジエターの方が良いとは言えるのだが、ストリート兼用の車では渋滞に遭遇する確率も高くなる。そうなると自己放熱性の低いアルミニウムラジエターでは冷却風の導入が止まると同時に一気に水温が上昇してしまう。しかし銅ラジエターではそのような状況に陥ってもある程度は対応が出来る。そのため多くのチューナーはストリート仕様なら銅、サーキット専用車両ならアルミニウムを推奨している。