建物

建物でのラジエーター

住宅用鋳鉄製ラジエーター建物においては、ラジエーターは暖房装置の一種であり、熱源機から供給される蒸気または温水によって温められる。ラジエーターは熱の大半を輻射および対流によって放熱する。日本ではガス会社などが販売しているもののあまり普及していない半面、欧米の集合住宅・ホテルなどでは一般的な暖房装置である。


従来型ラジエーター
従来型温水ラジエーターは、くぼんだ金属製の密封容器からなり、通常平らな形をしている。温水は一方の端から供給され、対流または建物内の他の場所に設置されたポンプからの圧力により、ラジエーターの最上部まで上る。

熱の放出に伴い温水は冷却され、ラジエーターの最下部まで沈み、他方の端のパイプから排出される。パイプは周囲の空気と接触するために大きな表面積を有するか、またはフィンが装着されている。このためラジエーター周辺の空気は暖められ、対流により室内の空気が循環するので、室内は暖められる。

ラジエーターといえば写真にあるような鋳鉄製のものという固定観念も存在する。日本でも、戦前の洋風建築にはこのようなラジエーターを設置したものが数多く存在する(例: 東京都庭園美術館 - 旧朝香宮邸)。しかし最近の新築建物では、銅製のパイプとアルミニウム製のフィンからなるラジエーターが設置されることが多い(訳注: 欧米の場合)。

窓からの冷気を効果的に遮断するため、ラジエーターはしばしば窓の直下に設置される。ラジエーターには居間・事務室などの居室に設置されるもののほかに、浴室・トイレに設置されるものもある。これらの中には、タオルをかけて乾燥させるための装置としての役割を兼ねるものもある(タオルウォーマー)。

ラジエーターは1855年、Franz SanGalliによって発明された。彼はセントラルヒーティングシステムを初めて生産し、ドイツおよび米国でこの発明の特許を取得した。


蒸気式ラジエーター

単パイプ蒸気式ラジエーター蒸気には、ポンプがなくても自らの圧力でパイプ内を流れるという特徴がある。このため、蒸気は電動機やポンプより前から利用されていた。蒸気は温水に比べ、摩天楼のように大きな高層の建物では供給するのがはるかに容易である。しかし、蒸気式のシステムは高温を利用するため、熱の損失が大きくなり、本質的に効率が低い。

蒸気式のパイプおよびラジエーターは、凝縮水が適切に排水されなければ、スチームハンマーと呼ばれる騒音を発しやすい。これは、建物の沈下(セトリング)によって、凝縮水がパイプ・ラジエーター内に滞留し、もはやゆるやかな傾きによりボイラーに戻らないことにしばしば起因する。